「フィクションの現実化」


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週刊「SPA!」2008年12月9日発売号の特集記事「続発する[フィクションの現実化]を大検証」用に
編集部のご依頼で お送りした、“現実化した(と言えるかも?な)こち亀の内容”データです。
誌面では ほんの少しの掲載ですが(^^;)、せっかくまとめたので ここへ載せてみました。
(※このページは 予告なく削除する場合がありますので ご了承ください。)


15-9「スーパー麗子!の巻」(初出:週刊少年ジャンプ(WJ)1979年32号)〜16-1「女の意地!の巻」(同33号)
ヒロイン・麗子が、当時実在しなかった(※)「女性白バイ隊員」となる話(劇中では特製の「赤バイ」)。
女性白バイ隊は、十数年後の'90年代前半(※)に実現しました。
ちなみに、94-4(WJ'95年21・22合併号)から こち亀に登場した準レギュラーキャラ・乙姫菜々は、実在の警視庁女性白バイ隊「クイーンスターズ」の隊員と設定されています。
(※こちらのサイトによると、1967年には前身となる“スクーターによる”女性白バイ隊が発足、
 正式な婦警白バイ隊発足は'91年となっていますが、真偽の確認はできていません)

17-10「ギア・チェンジ!?の巻」(WJ'79年52号)
当時 実際に話題となっていた(らしい)「食材配達サービス」を一歩進めた「出張調理サービス」の話。
これも後に実現しました。

19-9「発明の日!の巻」(WJ'80年21号)
“ゴミを追い求めて勝手に動くコンピューター掃除機”は、21世紀に入って実現しました。
他にも「(この話で)紹介したアイデアがマネされた」と52-2(WJ'86年41号)で語られていましたが、どれの事を指しているのかは、残念ながら不明です。

28-3「アンコール雪之城の巻」(WJ'82年1・2合併号)
TVゲーム(「ドンキーコング」)で遊びながら、「わしはTVゲームのプロになるんだ!」と語る両さん
「今やコンピューターエレクトロニクスの時代なんだぞ(中略)21世紀はすべてがコンピューターだ」
「将棋とか囲碁とかボーリングなど元は娯楽で今じゃプロもいるだろう!」。
聞き手の中川は「凡人じゃ考えないことですね」と変な目で見ていますが、
後にゲームが一文化として確立し“プロゲーマー”も現実化する事を思うと、両さんの予見もまんざらではありません。

29-7「少年忍者 田中くんの巻」(WJ'82年17号)
職場や家庭でフラストレーションをためた末、
子どもの頃憧れたヒーローのコスプレをし、盗んだ拳銃で世の悪に“天誅”(私刑)を加えようとする中年男。
(具体的に同じような事件があったわけではありませんが)驚くほど“(21世紀の)現代的”な心情描写です。
中川「会社や家庭での積み重なったストレスが 心の中につくりあげたヒーローと自分を混同させたのでしょうね」
部長「うむ……きけば気の毒な話だな…」

31-2「シェルター屋さんの巻」(WJ'82年32号)
一般向けの小型核シェルターを売る業者が登場。当時はあくまでフィクションだったようですが、
'90年代後半には、社会不安のせいもあってか実際にメジャー化が進んだようです。

49-1「なんてたって愛(アイ)ドールの巻」(WJ'86年11号)
実在の女子高制服のミニチュアを自作する人形マニアの男性・矢野万太郎が登場。
後に同様の商品シリーズが実際に発売され、58-1「人形アイデア勝負の巻」(WJ'87年51号)で再登場した矢野は「時代がやっと私に追いついただけですよ」と胸をはっていました。

49-10「両さんのカメラマン入門の巻」(WJ'86年19号)
劇中で両さんが発案している“被写体を30台のスチルカメラで囲むようにして連続撮影する”アイデアは、
後の映画「マトリックス」で話題になった「マシンガン撮影」にそっくり。
マトリックスの監督・ウォシャウスキー兄弟は「マシンガン撮影のヒントは日本のコミックから得た」と語っているそうで(ソースは見つかりませんでした…)、
おそらく、こち亀のこのエピソードが元なのではと思います。

58-9「機械仕掛けのオレん家の巻」(WJ'88年8号)
自宅での暮らしを全て“集中コンピュータ管理システム”でまかなう男性が登場。
表現こそ漫画的な部分が多いですが、空調や風呂・留守録の自動管理など、現在 実現している物も多く見られます。

59-4「テレビでこんにちは!の巻」(WJ'88年14号)
有線で繋いだ大量のモニターテレビを一カ所に集め、お互いの姿を映しながら遠距離同窓会を行う話。
現在ネット会議・ビデオチャットとして実現している物と発想が全く同じな分、今 読むと技術の進化が浮き彫りになって感じられます。

82-8「ハイパー小学生!?の巻」(WJ'92年52号)
最先端機器(当時)を凝縮したハイテクランドセルを持つ小学生キャラ・
電極+(プラス)が登場。
ビデオデッキ・カメラ・TVチューナー・ナビ・ファックス・液晶モニタを搭載したランドセルは、進化した現代のモバイルPCと重なって見えます。
「キーボードとしても使えるソロバン(ソロバン型キーボード?)」などは、どこかで既に商品化されていそうな気も。
(劇中には、さらに高機能化したアタッシェケースタイプも登場しています)
4年後の
99-6「ハイパー小学生D(ダッシュ)!の巻」(WJ'96年21号)では、更に発展・小型化したニューバージョンのランドセルが登場。
更に5年後の
124-6「電極+(プラス)の初恋!の巻」(WJ'01年5・6合併号)では、リュック型の高性能PC(ボブルビー製)へと進化し、現実とのシンクロ度・リアリティが増しています。

83-9「おそ松くんカー!?の巻」(WJ'93年13号)
ロールスロイスの車体を「おそ松くん」の絵のペイントで埋め尽くす男性(中川の友人)が登場。
近年の“痛車”ムーブメントの先取り?

84-9「ハロー・ダーリン♥の巻」(WJ'93年24号)
当時の最先端機器・MDに会話を録音し、文節・単語ごとに分けて編集→選択再生することで思いのままに文章を喋らせる両さん。
同様に、組み合わせて文章を作る事のできる(アニメキャラクター等の)ボイスCDが後にいくつか商品化されたようです。

86-7「パソコン・モンタージュ!の巻」(WJ'93年43号)
タイトル通り、パソコンでモンタージュ写真を作成する話。
当時のソフトは、まだ現在のように実用に耐えるほどの機能ではなかったようです。
2枚の顔写真の合成比率を変えて遊ぶ機能は、最近 ニンテンドーDSiにも搭載されましたね。

89-4「1994年米騒動!の巻」(WJ'94年19号)
米不足で国産米を求める狂騒が日本中を席巻していた中、
「いずれ国産米が安定供給されたら『ブレンド米』なんて消えてしまうかも知れませんよ」
「今食べておくのが一番トレンディーです!」と部長に宣う両さん。今読むと、実に的確な言葉です。
このエピソードでは、他にも
「公共料金が一円でも上がると死ぬほど文句言うくせに! 米の値が倍に上がっても買う神経がわかりませんよ」
「米を隠しといて一番の高値で売り出すなんてのは頭の切れる小学生でもわかる図式でしょう!」、
下町に住むお婆さんの「どうせ夏には落ち着くでしょう」「それより人の物を盗ったり買い溜めしたり気持ちが卑しくなる方が嫌だね 困った時こそみんなで協力しないとね」など、
真っ当さに感銘を受けるセリフが多々あります。
因に、後の
100-6「両さんの秋葉原(アキバ)案内の巻」(WJ'96年31号)では、パソコンと家電製品の抱き合わせ販売をする両さんが
「日本政府だってブレンド米を米にくっつけて売ってた時期もあったろ! まったく問題はない!!」と、風刺のきいたセリフを宣っていました。

89-7「夢のドライブゲームの巻」(WJ'94年28号)
かぶったヘルメットの内側に画面が映し出される、「バーチャルリアリティドライブゲーム」が登場。
ゲーム会社のイベント等で、何度か そっくりの試作品が出展されていました。

90-6「夢のハイテク交番!?の巻」(WJ'94年34号)
カメラとモニタを備え、本署にいながらにして交番業務ができる「P・B・N・S(ポリスボックスネットワークシステム)」が登場。
当時は京都府警がPBNSに似た“無人交番”システムを導入し始めた黎明期だったようですが、
屋外に設置され「使われない時は防犯カメラになる」PBNSは、むしろ近年増えている「警察への直通電話付き防犯カメラ」に近いかも知れません。

95-1「音声対応ワープロ!!の巻」(WJ'95年34号)
当時開発が進んでいた音声認識技術が登場。現在はWindows Vista等に標準搭載。

95-4「テレビ革命進行中!?の巻」(WJ'95年31号)
当時移行が進んでいたワイドテレビや、新世代テレビとして話題になっていたハイビジョンについての話。
部長が「そうか!今までのテレビには写らなかった部分が写るんだな! それは得なテレビだな!」(※)と宣うギャグシーンがありますが、
地デジ放送の16:9画面を4:3テレビで観ると左右が切れてしまう現在の状況は、ある意味 部長のセリフが現実化したと言えるかも知れません。
(※「写る」(正しくは「映る」)は原文ママです。)
「どうしてそこまでして横長にするんだ!」という部長の疑問に
「ハイビジョンを買わせる為と私はにらんでいます」「安い現行テレビを16:9画面にしてそうーっとハイビジョン化して行くのです」
と答える両さんのセリフも、今読むとなかなかに的を射ているのでは。

96-5「両さんの免許証の巻」(WJ'95年44号)
両さんが期限日ギリギリの免許更新でふざけた顔の写真を撮り、不受理で免許失効になってしまう話。
翌'96年10月に、タレントの水道橋博士さんが(ネタとして)ふざけた写真で免許を更新、
不正な交付手続きのため道路交通法違反で書類送検・芸能活動自粛…という事件がありました。
こち亀が“元ネタ”なのか、偶然似てしまっただけなのかは分かりませんが…。

97-7「年末警備大作戦!!の巻」(WJ'96年2号)141-8「新葛飾署制服ラプソディーの巻」('04年17号)
前者の話では、両さんが「警官が日常から制服を着ていれば犯罪抑止になる」と、自らの着たきり雀ぶりを弁護。
8年後の後者は、「犯罪抑止の観点から、制服のままでコンビニへ行っても良い事とする」と本庁から通達が…という話。
141-8から半年余り後の2004年10月には実際に北海道警で同様の試みが始まり、次第に全国へ広がりました。
まさに、「時代がわしに追いついた」という(141-8での)両さんのセリフそのままですね。

98-1「電脳ラブストーリーの巻」(WJ'96年7号)
ゲーム中の買い物で、実際の現金を必要とするシステムが登場。
美少女キャラに心酔してリアルマネーをつぎ込む本田君の姿は、「アイドルマスター」に熱中するファンの姿を先取り?

98-8「インターネット駄菓子屋の巻」(WJ'96年13号)
当時黎明期だったインターネットで、駄菓子の通販を始める両さん。
なんでもネットで買えるようになった現代から見ると、
「インターネットのユーザーは世界で7000万人いると言われてるからな」のセリフなど、逆にノスタルジックです。

100-1「インターネットで逢いましょうの巻」(WJ'96年29号)
プラス「最近 ノートパソコンを持つ小学生が増えたでしょう」
両さん「増えてない!!」「この学校の生徒だけだ」
当時のノートPCより多機能なケータイを持つ小学生が実際に増えた現代は、
ある意味、この時のプラス君の学校を超えているかも知れません。

同エピソード
プラス「他のクラスや学校内全てのコンピュータがネットワークされていますからね」「誰とでもCCメールのやり取りができます」
このエピソードは、ネット社会の現代から見るとむしろ自然に感じる部分が多くあります。

同エピソード
(有名人のホームページ開設が週刊誌の記事になる、という話題を受けて)
両さん「今が“旬”だからな」「あと1年もすれば当たり前になりニュース性もなくなるぞ!」
的確な予見でした。

100-2「ゲーム営業 両津!!の巻」(WJ'96年36号)
当時はまだ珍しかった「ゲーム内広告」の話。

100-3「アロハ天国の巻」(WJ'96年37・38合併号)
両さんが、アロハシャツでの勤務を推奨する話。
和歌山県白浜町の方針を彷彿とさせます。

103巻('97年8月9日初版発行)作者コメント
「早く自宅のテレビでインターネットが自由に見られる時代が来るといいですね。」

109-7「ハイテクベーゴマ大ブーム!?の巻」(WJ'98年16号)
両さんが、ハイテク化したベーゴマとメディアミックスの力でブームを起こす話。
「ベイブレード」として現実化するのは、翌'99年7月の事です。

110-9「男ならこのPHS(ピッチ)!!の巻」(WJ'98年26号)
「まだPHSの未開発ゾーンがあるぞ! 男性用PHSだ!」と両さんが発案した
“ヘビーデューティーな携帯電話”のコンセプトは、しばらく後に実現し人気となりました。

127-7「新・体感ゲームで遊びましょう!の巻」(WJ'01年35号)
ラストで登場の体感ゲーム「マンザイDEベシャリ」は、翌'02年に実現したナムコのゲーム「〜つっこみ養成ギブス〜 ナイス☆ツッコミ」にそっくりです。


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